2014年2月17日月曜日

今日の出来事

今日は本当であれば朝からバイトだったけれど、一昨日に降った雪の影響もあり、午後からの出勤に変えてもらっていた。

私は某PCショップの店員である。
お店自体は秋葉原直系のお店よりは品数は少ないけれど、サービスでは負けていないと言われている。
私に任されている仕事は主にPCの点検・修理や設定などPCに直接触れるクリニックと呼ばれる部門である。
お客様のご要望をお伺いする部隊をオフェンスと呼び、そのご要望に答える部隊をディフェンスと呼ぶが、私は主にディフェンスに所属する。
基本的にオフェンスが3人でディフェンスが2人体制で、マネージャーは両方兼任である。

今回ご来店なさったお客様は、PCが壊れてしまって買い換えを希望するというお客様だった。
設定内容が複雑で、壊れたPCからデータを救出し、そのデータを戻す作業も入っているため正直言うとめんどくさい作業内容である。
しかも、元々はwindowsユーザーだったみたいだが、今回はMacBookに買い換えらしく、移行先のPCは13インチのMacBook Proだった。

何とか希望日時までに終わり、お客様へのお渡しとなったが、このお店では設定したPCを渡して終わりなんてことはしない。
まずお客様がMacが初めてということで、お客様に電源の入れ方からレクチャーをするのだ。
その仕事は本来オフェンスの仕事だが、オフェンス部隊全員対応中だったため私が指名されて行くことになった。
だがそれは特段珍しくは無く、忙しいときはオフェンスになることも多いため別に問題はない。

だが今回は様子が違った。
私に引き継ぎをしたオフェンスの先輩から、
「こちらのお客様は耳が不自由なお客様だからその辺配慮してあげてね」
との指示が。

うーん、どうしよう。
耳が聞こえないお客様への対応は基本的に筆談となるが、パソコンの使い方を筆談って結構難しい。
悩んでいてもお客様を待たせるばかりになってしまうので、とりあえずお客様の元へ向かい、取り出したデータの確認をしてもらうことにした。
データの確認はプライバシー保護のため、専用のスペースで行う。
なのでまずはその場所への誘導を行わなくてはならない。
お客様の元へ行き、「お客様、大変お待たせしました。恐れ入りますが取り出したデータの確認をして頂きたいので確認スペースまで移動していただいてよろしいでしょうか?」
というと、ニコニコしながらうなずいてくれた。

よかった、通じた!
なぜ耳が不自由なお客様に私の言葉が伝わったかというと、お客様は読心術を用いて私の口を見て言葉を理解してくれたのである。
私はできるだけ口を大きく開けて、ゆっくりはっきりをしゃべり、端から見たらこいつふざけてるの?と思われそうなしゃべり方になってしまったが、これならレクチャーができると私は安堵していた。

データを確認してもらうと、お客様はすごく喜んでいる様子で、ありがとうございますといってくれた。
耳が聞こえないお客様は自分がしゃべっている音も聞こえないため、はっきりとは発音できないらしい。
それでもそのお客様が何を伝えたいのかを相手の目を見て表情を見て言葉を聞くと、不思議と理解できた。

データの確認の後は、Macの使い方の説明である。
これはさすがに難関だった。
相手はパソコンと私の口を両方見なくてはいけないため、なかなか伝えることができなかった。
本来であれば5分で伝えることができることを、30分もかかってしまった。
それでもお客様が納得できるとうれしそうに笑ってくれたのがとても印象的だった。

今回いろんな作業を伴ったため、書類を書いていただいたり、説明をしたりと2時間くらい対応していたと思う。
それでもお客様は終始笑顔で、その笑顔につられて気がつくと私も笑顔になっていた。


私は普段何気なく”言葉”を使っているが、こんなにも難しいことなんだなと知った。
伝わると言うことがこんなにも嬉しいと感じたことは今まで無かった。
接客業は正直辛いことが多い。
それでも、今日は、本当にこの仕事やっててよかったと感じることができた。


本日はありがとうございました。
またのご来店をお待ちしております。

この言葉を本当に心から言えたのは、今日が初めてだろう。

だとしたら、私は今日初めて店員になれたのかもしれない。

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